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狭山事件自白偽証の新証拠

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狭山事件の有罪認定では、自白を離れた客観的証拠を筆頭に挙げて事実認定をしているが、殆ど全てが自白に依存していて、結局自白が狭山事件確定判決の最大の証拠と言って良いものになっています。

狭山事件自白証言の偽証

狭山事件自白の真相に迫る証拠が開示され、新証拠が提出されました。裁判所の証拠開示勧告で出て来た関源三作成「被疑者石川一雄が取調の合間に本職にたいして語った言動について」と同日の取調べ録音テープ、及びこれらを元にした鑑定書です。何れも、新たな証拠につき前にも当欄で簡単に触れました。

狭山事件自白と偽証の新証拠

狭山事件無罪の新事実がまたひとつ明かになったわけですが、そんなもんもう知っておるよト申す向きは別に読む必要はありません。此のサイトはそぅいぅ輩よりも、本件について余りご存知あらしゃらぬか若しくはまだこれらの証拠関係のニゥスをご存知なき大多数の方々をメインの視聴者に想定し、身内的なお知らせは出来るだけ排除し、幅広い広範な層への告知を目的としておりますから簡略ながら、でも多少とも詳しく、わたくしの私見とともに御紹介申し上げます。

狭山事件新刊

2014-12-24.jpg
虚偽自白はこうしてつくられる
狭山事件・取調べ録音テープの心理学的分析
浜田寿美男・著
現代人文社
2014-12-24

かつて第二次再審請求に際し『自白供述の心理学的分析—とりわけその供述変遷に着目して』と題し意見書を提出し、本年5月7日には新たに開示された証拠に基づき鑑定書を上梓した浜田寿美男氏の新刊。

狭山事件と自白の証拠能力

まず、前提として、刑事事件での自白がどのような場合に証拠能力を認められるかについて、刑事訴訟法で次の通り規定されています。

刑事訴訟法第319条
  1. 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
  2. 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
  3. 前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
刑事訴訟法第322条
  1. 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても第三百十九条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
  2. 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。

この規定は、憲法の次の条文に基づくものです。

憲法第38条
  1. 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
  2. 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、 これを証拠とすることができない。
  3. 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

これが自白の基本です。つまり、再審請求で自白の任意性が争点となる場合、これらの法令に規定された自白の証拠要件にマッチしているか否かが論点となるわけです。自白の供述調書がこの要件を満たせば証拠能力を有する事になり、公判期日に被告人がその供述調書の内容を認めればこれも自白に準じた証拠とされます。自白の証拠能力について争われる場合には、他の補強証拠によって、自白の証拠能力が満たされるか否かを証明する事になります。

狭山事件自白新証拠

本年7月25日、新証拠と再審請求補充書及び証拠開示勧告申立書が提出された。新証拠は事件の起きた年の6月23日付、関巡査部長作成の報告書。衆知の通り狭山事件の自白はまず6月20日に三人共犯自供が関巡査部長に対してなされた。

関巡査部長の狭山事件取調べ参加経緯

控訴審までの狭山事件裁判での証人尋問を見ると、狭山警察署の竹内署長は、関源三巡査部長が逮捕後の石川一雄氏に会った経緯について、次のように証言している=二審41回。

竹内:逮捕しまして、それから、まあ、延長しまして、まあ捜査が進展しない=自白が取れぬの意、(中略)なかなか進展しない、それで、たまたま最初はもちろん私知りませんでしたが、自分の直接部下である関部長がちょうどたまたま近所に住まいを持っておったと、それで、まあ、面識もあるというか、知っておる。それなら私も自分の部下と一緒に会って、そう、取調というふうでなくとも、会えば、ある程度関部長には真実を話すであろうという、こういう気持で確か十日前後、僅かの時間ではありますが、面接したことがあります。

それでまず最初は狭山署に勾留中に三人で会った。その時はもとよりまだ自白はなかった。次に再逮捕後、川越分室に移送されてからのことはこう証言している。

竹内:私もまあ会ってですね、当時の本部長に、刑事部長にも私の心証はこうだということを報告しておるし、こちらのほうも若干手がすいてきたと、じゃ、取調のほうに関部長をやったらどうかということですね。(中略)取調は当時は長谷部警視とか本部の人がいますからね、補助してやろうと。

問:補助として取調に関与させようということが捜査本部で出たということですか

竹内:そうです。(中略)

問:それは関さんを補助につけたほうが石川君を自白させるには適切ではあるまいかという判断があったわけでしょう。

竹内:そうですね、前に会った感じ、まあ、ほかの人もベテランであるが、うちの署員が加わらんのもどうかという気持ちもあったし、せめて私もうちの関部長が一番、取調というより本人をほぐすには適当であろうというわけです。

問:非常に重要な役割を与えたわけですね。

竹内:そうですね。

竹内狭山署長は関巡査部長本人から石川一雄氏を知っている事を聞き、自白をさせる為に、まず狭山署で一回会わせ、次に捜査本部の副本部長である狭山署長として捜査本部長に推薦する形で川越署分室に派遣した。交通係で、狭山事件の捜査では最初の山狩り参加以外は捜査本部の食糧係をやっていた関巡査部長が、取調室に出入り出来たのには、ざっとこんな事情があった。

関巡査部長への狭山事件自白

川越分室では早速、派遣した6月20日に例の泣き落しの自白が得られ、内容は三人共犯だった。その三日後の単独犯行自白について、関氏自身はこんなふうに証言している。6月23日頃、時刻は午後、時間は十分か十五分程度、皆には用がないから向うへ行ってくれと言って二人きりになった。その時に、関さん俺がやったんだ、と言った。

問:おれがやったんだというのはどういうような意味ですか。

関源三:おれがやったんだというのは、おれがやったんだけれども死刑になりたくないんだというような話をして、それから善枝ちゃんいかっていたのはどういうふうになったんだべ

問:いかってた。

関源三:うめてあった状態ですが、どういうふうになっていたんだと、で、あの時ずっと炊事のほうに行っていたんでおれはわからないんだ、そうかい、それがわかればよくわかるんだがな、といって切れちゃったんです。そこでちょっと言葉が切れて、ああもういゝよといったんで、又皆が入って来たんです。(中略)

問:そうすると善枝さんを自分が殺したということを、改めてあなたに言ったというふうに理解したんですか。

関源三:おれがやったということは、まあ一人じゃないかなあというふうに、私は感じたんです。

問:そのあとで石川君はどういう具合に死体がうめられていたのかということを、あなたに尋ねたんですね。

関源三:そうです。

長谷部警視の狭山事件証言

つまり、単独犯行の自白も、長谷部警視らほかの三人に出ていってもらい、関源三巡査部長にし、死体がどう埋っていたかを関巡査部長に聞いたと言うのだ。ところが狭山事件二審第9回公判で長谷部警視はこの時の状況を説明して、

問:(最初の三人犯行自白は)関源三は、自分に対してだと言っておるがどうか。

長谷部:間違いました。最初に三人だと言ったときには、私と関部長のときではなかったかと思います。先程、私が、私と青木、遠藤三人のおるところでと申上げたのは石川が三人だと言っていたのを、今度は、自分一人でやったんだと言ったときであったと思いますので、前言を訂正させていただきます。

と、単独犯行自白の場には長谷部警視ら三人が居て関源三は居なかったように言い、又、単独犯の最終自白をし始めてからは、

長谷部:実は俺一人でやったんだと言って、そのときはすらすら話してくれたのです。(中略)

問:自分でやったんだというようになったとき、被告人は最初から死体をどういう風に埋めたとか、いうことを、すらすら言ったのか。

長谷部:その点については只今述べたとおりです。

問:最初に一人でやったというようになったら、死体の状況を非常によく知っているようであったのか。

長谷部:そうです。

問:当審における、関源三の証言によると、被告人が、関だけに会いたいと言って証人や、他の取調官のいないところで、二人だけで会ったとき、被告人は死体の状況がよくわからない様子にみえたという趣旨のことを述べておるが、被告人自身一人でやったと自白するようになってからも、どういう状況で死体が発見されたかについて、わからない様子ではなかったか。

長谷部:先程述べたとおり、俺がやったんだと言うときにはすらすらと全部詳しく話してくれたのです。

と述べ、確定判決は長谷部警視らの証言を採用して、

員青木一夫、同長谷部梅吉の当審各証言に徴しても、不当な誘導がなされたことを窺わせる状況は見いだせない。

として自白の任意性を是認した。

関巡査部長の狭山事件報告書

ところが、開示された6月23日付関源三作成の「被疑者石川一雄が取調の合間に本職にたいして語った言動について」によれば、法廷証言どおり、単独犯行自白の時、石川一雄氏が関源三巡査部長と二人きりで取調室に居たこと、その際、被害者の遺体の埋められ方について「どうなっていたんべい、それを教えてくれればわかるんだ」と、死体埋没の方法について知らぬ様子であったことが記載されていた。

関証言と長谷部証言のどちらが正しいのか。別の言い方をすれば、どちらかが偽証をしていることになる。

確定判決は、関源三と、長谷部警視ら他の取調官の単独犯行自供時の状況についての証言の食い違いを、長谷部証言のほうを正しいものとして採用し、以て自白の任意性を認定したのだが、相反する法廷供述がある場合、裏付ける他の証拠がある側が正しい道理である。自白の任意性が否定されるべき補強証拠として、関源三報告書があったと言う事だ。

狭山事件の取調べ録音テープ

証拠開示によって明かとなった同じ6月23日の取調べを録音したテープでは、関源三氏の取調べに対して、タオルは口を塞ぐのに使ったのであって目隠しではなく、死体を穴に埋める際もそのままであったと自供しており、死体の客観的状況と矛盾している。後のくだりでも被害者が騒いだからタオルで縛ったなどと答えている。

そう自供する石川一雄氏に対して、関巡査部長は「間違いって事もある」「よく考えろ」と繰り返し言い聞かせており、結局、真犯人であれば知っておって当然の死体処理の仕方を知らなかった事があらわれていた。

脅迫状の宛名に関するやり取りでも、「少時」が何を意図したのかについて「別にどうというとこもない」「別に意味はない」と答え、何故少時と言う宛名を使ったのかについては何ら自白にはあらわれなかった。

録音に現れたこうした状況は、狭山事件の真犯人であれば既に単独犯行を自白した後となっては、隠し立てする理由はどこにも無く、畢竟、自白が誘導であることを示しているものだ。

狭山事件の自白と関源三氏

自白の獲得と関巡査部長の関係は、既にあらゆる場所で言われて来たように、もともと町内の野球を通じて知り合いだった関氏が、逮捕後の取り調べに参加することによって、それだけ容易に得られることとなった。言わば関巡査部長も、石川一雄氏を嵌めた中の一人なのだが、警察官たちの嘘が解り、二審で自白を否認するようになってからも、関氏とは親しく文通をしていた事実は、狭山事件と関源三宛手紙で検討して見た。関源三氏も確かに、冤罪製造に加担した仲間であることは明確なのだが、関調書とテープの証拠開示によって、はからずも自白の真実が明かされる結果となった。

狭山事件公判中の取調官供述調書

証拠開示によって、更に、先に引用した二審第5回公判の関証言の後に、一審の検察官だった原検事が、長谷部・青木・遠藤の三人の取調担当官の調書を作成し、これらの内容は、単独犯行自供時には関は居なかった、単独犯自白後は説明に矛盾なく、中でも長谷部警視の供述調書では「急に実は俺が一人でやったんだと言い、それからすらすらと5月1日の犯行を自白しました」とあり、中身が法廷証言そっくりである。

これを要するに、自白の任意性に疑義をもたらす結果となった関証言への対策の為、当該証言があった第5回公判の後で、原検事と3人の取調捜査官が口裏を合わせ、第6回公判以降、出廷することになる長谷部警視らの法廷証言を、検事に対する供述調書の形で準備し用意したものと解される。

原検事が、二審に入ってからも出廷する元捜査員の幹部クラスと密接な関係を保っていた事実は、二審第13回公判に出廷した将田警視が、裁判長から狭山事件の万年筆の発見に関わる供述調書添付の図面の所在を当審(控訴審の)検察官に報告したかどうかを尋ねられると「原検事に報告してあります」と答えている事からも伺える。

単独犯行自白以降の自白実態が明るみに出ては、自白の任意性が疑われることになるから、一審検察官と捜査官が法廷証言を示し合わせた痕跡であって、これにより偽証が明かとなった。

偽証によって担保された自白調書の信用性は、刑訴法第三一九条及び同第三二二条が規定する自白の証拠要件に反するから、自白の任意性を前提とした確定判決の事実認定は、完全に崩壊することになる。それゆえに、開示された自白に関するこれらの証拠は、刑訴法第四三五条が再審開始の要件として規定する所謂六号事由に該当する重要な証拠である。弁護団は、自白関係をも含む未開時の証拠群の証拠開示勧告申立書を提出し、引き続き更なる証拠開示を求めている。

狭山事件鞄自白の新証拠

10月29日、「鞄自白位置・経路等報告書」が新証拠として提出された。狭山事件の鞄発見は、自白による秘密の暴露とされているが、鞄が発見された6月21日付青木員調書二通と、開示された同日の取調べ録音テープ及び鞄捜索報告書により、鞄・教科書・ゴム紐をそれぞれ棄てた状況についての自白の矛盾を明かにした。

リンク先でも検討した鞄自白の調書を見ると、6月21日付では一通目が鞄に教科書を入れたままゴム紐も一緒に、二通目では別々に棄てたが鞄のそばに、となっておりさらに日が経つに従って距離が伸びて行き、実際の発見状況に近くなっている。特に鞄が発見された21日の調書で一緒にとかすぐそばに、となっているのは現実から完全に遊離している。

開示された録音テープでは、最初は
「本は鞄に入れたまま」
と答えたところ、本=教科書ノート類はもう発見されていることを取調官から教えられると
「あったの?」
「それじゃあ知らねえ」
と言っている。鞄の中身を出して埋めたのか、鞄だけ別に埋めたのかを問われると
「鞄はすぐそばにありますよ、そいじゃあ」

真犯人にあるまじき間の抜けた受け答えだ。実際の鞄の位置は、教科書とは直距離で130メートル余りも離れている。普通、百メートル以上も離れれば「すぐそば」とは言わぬ。それとも、当時の石川一雄氏の国語力では「そば」と言う言葉の意味を誤って使っても不思議はないとでも言うのであろうか。そのわりには、狭山事件の脅迫文を作成するほうは「りぼん」さえ見れば1時間半程度ですらすらと書けたとでも。

鞄自白の時期は、まだ三人共犯で自分の役割は脅迫状の執筆と配達、そして帰りがけの駄賃に遺体埋没用のスコップを養豚場へ寄って盗んで来ただけ、との自白状況だったが、仮に真犯人が罪を軽くする為に言った嘘と仮定しても、鞄と本やゴム紐を一緒に棄てるか、別々にするかなどは、どちらであっても罪の軽重は変わらぬが、それとも、これも、当時の学力の無さに由来するとでも言うのであろうか。

自白とは何か

自白調書は、被疑者が言いたい放題、自由奔放に話すことをそのまま書き写すものと思ったら大間違いだ。仮に当該犯罪を本当に行った真犯人が自白する場合でも、一方的に喋りまくるのではなく、捜査官とのやり取りによって自白調書は作られる。自白調書に「任意次のとおり供述した」とあるのを取り違えると本質を見誤る。

更に、調書と言う形の文書になったものは、被疑者と捜査官の問答やその間の葛藤や矛盾は消えてなくなり、被疑者の独白調に作られているから、あたかも、その通り真実を述べたと解釈しがちになるがこれが間違いの元だ。これは、たとえ有罪であることが確実な真犯人の自白であっても注意を要する所以である。

自白は、同じ日の調書なのに言う事が何度も変わったり、日が経つにつれてじょじょに客観的事実に近づいたりする場合、その変遷の仕方が、捜査官による誘導を示している場合がある。狭山事件の自白は、死体処理の仕方や鞄と中身の棄て方など、上に見たようななり行きを辿って数通の調書が作成されることにより、完成したと言って良い。

可聴化された狭山事件自白

この観点から、音声の録音テープと言う形で可聴化された取調べ状況と、供述調書の作成状況の事実は、特に殆ど全ての有罪証拠が自白に基いている狭山事件のような事例にあっては、裁判所による既存の判決や決定に於ける事実認定を再検証する際=特に再審請求の場合には、重要な証拠となる。

同時にこれは、取調べの可視聴化による冤罪の防止という問題を、いかなる形であれ前進させる必要性を示してもいる。


で。先に筆跡関係の資料が、検察官から裁判所にインカメラ方式で提出されておりましたが、9月17日に結局全部開示され、少なくとも裁判所の判断では、プライバシーの問題など何もなかったようです。新たに開示された筆跡資料は28点。今のところそれらがどのような筆跡証拠なのか、中身は解りませんが、万全を期した上でおそらく近々こららも新証拠として出て来るものと思われます。

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2014/12/31
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